木曜喫茶のブログ

同人ゲーム制作サークル 木曜喫茶 のブログです。

ノアフェス3、総合部門賞受賞

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はじめに

 ご無沙汰しております、木曜喫茶(@thursday-cafe)です。

 今年の2/9(土)、2/10(日)に、木曜喫茶はノアフェスと言うゲーム制作イベントに参加させて頂きました。

 ノアフェスとはチームでノベルゲーム・アドベンチャーゲームを2日間で作るゲーム制作大会です。今回はノアフェス3ということで第三回目の開催でした。

 ノアフェス参加に至った経緯やそこでの制作作品『溶けたチョコレート』完成のいきさつなどについて制作チーム代表者さんにインタビューしたいと思います。

youtu.be ノアフェス公式サイト様はこちら:https://noahfes.jp/

シナリオライターにインタビュー

 さて、今回はゴジラ好きの毛筆5段、『コードギアス』が大好きな木曜喫茶のシナリオライター円伊(まるい)ロワールさんにお越し頂いております。この方はノアフェス参加チームの中で唯一のガチシリアスノベルを披露し、見事総合部門賞にチームを導きました。今回はこの方に制作作品『溶けたチョコレート』について、チームについて、これからについてお聞きしたいと思います。

 インタビュアー・うるえ(広報担当・プログラマー

ノアフェス開催!

――テーマがチョコ、倒錯、新世界ということでしたが最も作品に取り入れるのが難しかったものはどれですか?

 今回の作品で取り入れたのは一応チョコのみ、ということになったんですが、難しさからいうと一番難しかったのは新世界ですね。新世界は会場が大阪だったので、ということだと思いますが。この新世界を作品に取り入れるのは大きく2パターンに別れると考えていました。一つは大阪の新世界を舞台にする。もう一つは、新しい世界を舞台にする、の2つです。前者は、大阪弁のセリフになるから大阪弁の話し方や新世界に何があるか、を調べる作業をする必要があるなあと思っていました。つまり資料探しとシナリオの舞台設定が時間かかりそうだなあ、と。後者は、話が膨らみすぎてしまうと考えていました。今回は、そもそも作品の時間を10分にしよう、と決めていたので長いシナリオはできません。しかし、新しい世界がどういう世界なのかの説明をしていては、本題に入る前に10分が過ぎてしまいます。ほかにやりようはあったかもしれませんが、私には10分で新世界を描くのは難しかったですね。

――これだ! というシナリオを思い描いた時、正直これ誰も越せないでしょとか思いましたか?

 原案者から原案をもらって、少し話して調整しつつ、おおまかなプロットを完成させました。その段階では(誰も越せないとは)全く思っていませんでしたね。というのも、あまりにも綺麗すぎると感じたんです。王道と言い換えることもできます。私のこれまでの作品、これからの作品に言えることなんですが、私自身、王道なストーリーが大好きで、それに思考が凝り固まっているから、突飛なシナリオが書けていないし、これから書けないんじゃないかとも思っています。なので、アイデア勝負でこれよりも面白い話はいくらでもあるだろうし、これで戦えるかは不安でしかなかったです。シナリオが完成したときは「俺のシナリオが最強だああ!!」って叫びましたが。あの瞬間は「10分シナリオでこれは自分の出せるの出し切った」「間違いなく今の俺の自信作」と思いました。

――今回考えたシナリオでプレイヤーに最も感じてほしい思いやシーン、また自分が実現したかったシチュエーションは何ですか?

 元気な女の子(ヒロイン)が開幕から死んだ!? なんで死んじゃったの!? ヒロイン死んだのにこれからどうなるの!? ですね。つかみの部分です。時間が10分なのですぐにお客さんをシナリオの世界に取り込む必要がありました。このヒロインの死でこれからどうなるの!? って思ってもらったかったです。あとは告白のシーンですね。こんなに主人公のこと想ってるのに、この子もう死んでるんだよな……。って。めちゃくちゃしんどいですよね。書いててめちゃくちゃしんどかったです。

制作途中にて

――シナリオ提案者として今回参加したわけですが、自分のシナリオがゲームで少しずつ組みあがるところを見るとどんな気持ちになるんでしょうか?ゲームの形自体は主に他の人が作っているのでその辺りどうなのかなあ、と……。

 冒頭でも言いましたが、私はずっと小説屋で、どんなに描写しても絵は完全に自分の頭の中だけでおぼろげなものだったので、はっきりした、はちゃめちゃいい絵がついて、BGMと効果音がついて、キャラが生きてる……!!! って素直に感動しました。

――自分のシナリオと差異がないかとか、「ここの表現こんな感じでイメージ通り?」と制作陣と意思疎通して進めていくのって私は楽しかったのですが、どうでしたか?

 1日目の時点ではシナリオが固まり切っていなかったので、正直なところ逆に制作陣が出した素材を見ながらシナリオを固めていきましたね。それでもプロットとしては固まっているので、沿わなきゃいけないところはプロットを参考にしていました。2日目はもうシナリオが出来上がっていたので、それで合わせていくのは楽しかったですね。あれこそチーム開発の真骨頂だと思います。

――私たちのチームの雰囲気ってどんな感じでしたか?シナリオ担当で全体を見回す立場にあったと思うのでお聞きしたいと思います。

 正直私はシナリオを事前に準備すると言っておきながら、それをせずに当日を迎えてしまった戦犯だったのですが、誰もそんなに責めずに、とにかく作るしかないって手を動かしてくれたのがうれしかったです。大きな問題が起きずに進捗が順調だったのも大きいですが、制作が滞るような言動がまったくなかったのが素晴らしかったです。普段から見知っている仲というのもあるし、気の利かない発言をするような性格の人間がそもそもいないというのもあると思います。いいチームでした。

発表を終えて

――総合部門賞を受賞しましたが、この結果についてどう思いますか?

 これは正直に驚きとやっちまったなって思いましたね。前回までのノアフェスの最終発表を見る限り、これは全チームに何かしらの賞を与えるのだな、という事前情報があったので、最後の学生部門賞まで名前を呼ばれなかった時点で、総合部門賞かあ、と察してはいました。しかし、それにしても驚きました。他チームと我々の大きな差がキャラボイスです。あるとないとでは全く違いますね。キャラボイスもあるしシナリオもいいチームはほかにもあったのに総合部門賞まで取れるとは思っていませんでした。先にシナリオ部門賞の発表で名前呼ばれなかったのは少し残念でしたからね。やっちまったなというのは、初参加でいきなり取ってしまったということですね。実のところ、ノアフェスには私のシナリオがどこまで通用するかを知りたくて挑みに来たんです。それでてっぺんとれなくても、もっかいリベンジしにくればいい程度に思っていたら、いきなりてっぺんを取ってしまったので、これは次がしんどいぞ……ということです。

――大阪から帰還後も、所属のサークルで体験談を話したと聞きました。具体的にどんな話をしたんですか?

 前半がノアフェス自体の説明と、私の感想。後半は最終発表とまるきり同じ実演です。前半は公式サイトにある内容を話しました。感想は、チーム開発で成功体験できたのめちゃくちゃよかったっていうのと、機会があるならお前らもどんどん外に出て作ってこいっていう話はしました。

その他

――シナリオ考案の段階で「この展開入れてみようかな」とか直感で思いついた内容はありますか?特に、ゲームに反映しなかったものがあればそれについて聞きたいです。実はヒロインが死ぬ以外のルートも考えた、とか……。

 むしろヒロインが死なないルートを考えていませんでした。美玲ちゃんは確実に死にます。直感で思いついた内容といえばクレジット以降のあれですね。原案者からもらった原案をさらしてしまうと「ヒロインが死んで犬に生まれ変わって犬がチョコをせびる」くらいでした。そこからヒロインの死因や、死ぬタイミングなどを話していて、そのうち私がふと「ホワイトデーで、主人公がヒロインの生まれ変わりの犬にチョコ返すのエモない???」って思いついてですね。反映できなかったものもなかったですかね。そこまでシナリオを書いていなかったというのもありますが。

――木曜喫茶についてどう思いますか?

 繰り返しになりますがいいチームだと思います。中心メンバーが3,4年一緒に活動してるというのもあり、全員がお互いがお互いにこいつはこういうやつこれができてこれができない、というのがある程度把握できているはずですし。開発するものさえ固まっていればすぐにガッと作れるチームだというのもわかりましたし。開発するものさえ固まっていれば。

――今後の創作活動について一言お願いします。

 もちろんシナリオをガンガン書いていきます。プログラムにアサインされても、まあ必要になったら、シナリオ優先にしていきたいですね。

さいごに

 ロワールさん、ありがとうございました。
 以上、シナリオライターのインタビューをさせて頂きました。
 次の制作でもメンバーが思い描いたものを作品にできたらなと思っています。
 お楽しみに!